令和7年4月4日、青空の下、東京藝術大学の入学式が行われました。
奏楽堂の入り口には12色の紙が置かれています。新入生たちは、「色紙を一枚選んで、奏楽堂の中へお進みください」と案内され、紙を前にしばし考えたり、迷わずさっと手にしたり。配られた式次第には日比野克彦学長からのメッセージが書かれていました。
962名が共に入学する2025年4月吉日
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新入生が席に着き、音楽学部廣江理枝教授によるパイプオルガンの演奏が止むと、日比野学長が舞台に登場しました。「上野公園の桜のように、さまざまな色でこの空間を覆いたいと思います。そのためにひと手間加えて、自分の今の気持ちを紙に表してみましょう」と、ワークショップの内容が明かされました。「気持ちを表現したいというエネルギーが、筆を手にしたら絵になったり、楽器を動かすと音になったり、そういう表現の元になるのが気持ちだと思います。今の気持ちはどんなかなと考えながら、自由に穴をあけてみてください」
新入生たちは紙に思い思いの穴を空けます。大きな穴、小さな無数の穴、細長くちぎる人、ぐしゃっと丸める人など。一枚の紙がさまざまな形に変化していきます。
そして新入生を代表して18名が舞台に上がり、その紙をロープに吊るします。パイプオルガンの奏楽に合わせて、12色の紙が新入生たちの頭上を上っていきました。
日比野学長(左)の質問に答える新入生
ワークショップに続き、各学部長?研究科長、理事らが、「色にまつわるエピソード」をテーマにお祝いの言葉を述べました。
日比野学長は、「962名が今日一緒にここからスタートしたこと、共に創る入学式の時間を共有したということはゆるぎない。それをベースとして、自由に移ろいでいって、いろんな表現にチャレンジしてください」とお祝いのメッセージを贈りました。
色も形もさまざまな装飾が奏楽堂を彩り、晴れやかなパイプオルガンの響きに包まれ、入学式は幕を閉じました。
日時:令和7年4月4日(金)11時より 【参列者】 【奏楽】 |